台湾が「不妊治療助成3.0」へ。検査と心のケアも無料化の衝撃

参考にしたニュース

Taiwan Ministry of Health and Welfare (MOHW) | 2025.11.01
🔗 https://www.mohw.gov.tw/cp-16-78901-1.html

ニュースの概要

台湾の厚生省にあたる衛生福利部が、2025年11月より不妊治療助成制度を大幅にアップデートした「ハッピー妊活三大プラン(Ver.3.0)」を始動させました。これまでの「体外受精費用の助成」に加え、新たに「妊娠前の健康診断(AMH検査等)の全額公費負担」や「心理カウンセリングの無料化」が盛り込まれ、治療だけでなく「予防」と「メンタルケア」を含めた包括的な支援へと進化しています。

今日取り上げるニュース

日本のお隣、台湾。実は世界でもトップクラスの不妊治療技術を持つこの国で、国を挙げた少子化対策が新たなフェーズに入りました。

台湾では2021年に所得制限を撤廃した大規模な助成拡大(Ver.2.0)が行われましたが、今回のVer.3.0では、治療が必要になってからお金を出すだけでなく、「将来子どもを望むすべてのカップルが、自分の体の状態を早く知るための検査」にお金を使うという方針転換がなされています。

具体的には、結婚したカップル(一部事実婚含む)に対し、女性の卵巣年齢を測るAMH検査や男性の精液検査を無料で提供し、早期発見・早期治療を促す狙いがあります。また、治療中のカップルが直面する「心の負担」に対し、専門のカウンセリング費用も助成対象となりました。

何が起きたのか(ポイント整理)

  • 検査の無料化:不妊治療に進む前の段階で、AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査や精液検査などのスクリーニング検査費用を国が全額負担します。
  • メンタル支援の追加:これまで自己負担だった治療中の心理カウンセリングに対し、年間一定回数までの助成チケットが配布されます。
  • 助成回数の柔軟化:年齢による回数制限(40歳未満は6回など)の枠組みは維持しつつ、第二子以降の治療については回数カウントをリセットするという特例措置が明記されました。
  • 日本との違い:日本は「保険適用」という形で負担を減らしていますが、台湾は「柔軟な助成金(現金給付に近い形)」と「プレコンセプションケア(妊娠前の健康管理)」をセットにしている点が特徴です。

ここからは私(YUu)の感想や意見です

  1. 1. 「知るきっかけ」を国がプレゼントする意味

    一番感動したのは、やはり「検査の無料化」です。不妊治療はスタートが早ければ早いほど選択肢が広がりますが、自分たちだけで「病院で検査しよう」と決断するのは勇気がいります。

    国が「結婚おめでとう、まずは二人の体をチェックしておいで」と背中を押してくれるこの制度は、「不妊に悩む時間を減らす」ための最高のプレゼントだと感じました。日本でもブライダルチェックはありますが、公費で当たり前のように受けられる台湾のスピード感は本当に羨ましい限りです。

  2. 2. 心のケアへの予算がついたこと

    治療そのものの費用だけでなく、カウンセリングに予算がついたことにも注目したいです。治療中は、ゴールの見えない不安やパートナーとの温度差で心が折れそうになる瞬間が何度もあります。

    「心の健康も治療の一部」だと国が認め、そこにお金を出すという姿勢は、当事者にとって「あなたは一人じゃないよ」と言われているような温かさを感じます。これは、制度設計の中に当事者のリアルな声が届いている証拠ではないでしょうか。

読んでくださっている方へ

ここまで目を通してくださり、心より感謝いたします。
このテーマをより良い形でお届けしていくために、読者の皆さまの率直なご意見を大切にしたいと考えています。
お時間のあるときで構いませんので、以下の3つの質問にご協力いただけないでしょうか。

本格的な治療が始まる前の「AMH検査」や「精液検査」全額公費負担であれば、迷わず受診したい。

治療費だけでなく、心理カウンセリングに公的な助成があれば、迷わず利用したい。

第二子以降の治療において、助成回数や制限がリセットされない日本の現状は不公平だと感じる。

さいごに短い注意書き

この記事は、公開されているニュース記事をもとに、私(YUu)が個人的な立場から内容を整理・要約したものです。実際の治療や制度の利用については、必ず医療機関や専門家にご相談ください。

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