アメリカ生殖医学会が「PGT-Pは臨床にはまだ早い」と結論――“遺伝子で選ぶ”の期待と不安を整理

ニュース解説(写真はイメージで実際のニュースとは関係ありません)

参考にしたニュース

American Society for Reproductive Medicine(ASRM)「ASRM Ethics and Practice Committees Release New Report Concluding Polygenic Embryo Screening Is Not Ready for Clinical Use」
公開日:2025年12月8日
URL:

https://www.asrm.org/news-and-events/asrm-news/press-releasesbulletins/asrm-ethics-and-practice-committees-release-new-report-concluding-polygenic-embryo-screening-is-not-ready-for-clinical-use/

ニュースの概要

アメリカの生殖医療の専門学会ASRMが、多因子の着床前遺伝学的検査(PGT-P)について「臨床で提供するにはまだ早い」という報告を公表しました。
予測の不確かさやデータの偏り、患者さんの誤解を招くリスク、公平性などの倫理課題が大きいとして、扱うなら研究として倫理審査(IRB)の監督下で進めるべきだと整理しています。

今日取り上げるニュース

アメリカの生殖医療の専門学会ASRMが、多因子の着床前遺伝学的検査(PGT-P)について「現時点では臨床で提供すべきではない」という報告を公表しました。
PGT-Pは、胚(受精卵から育つ途中の段階)について、将来かかりうる病気の“なりやすさ”を推定し、胚の選び方に反映させようとする考え方です。
報告では、高血圧・心疾患・糖尿病などの多因子疾患を例に挙げつつ、遺伝子と環境(食事や生活習慣、将来の医療の進歩など)が複雑に関係するため、予測の不確かさが大きいと説明されています。
データ不足やゲノムデータの偏り(多様性の不足)も課題として挙げられ、点数(リスクスコア)を出しても、患者さんや医療者が意思決定に使える形の“臨床的に意味のある案内”になりにくいという見立てです。
さらに、過大な期待を招いて誤解を生むリスク、公平性や自律、どの病気を優先するか、偏った評価の可能性など、倫理面の論点も大きいとされています。
結論としてASRMは、PGT-Pは未成熟で臨床的に確立していない技術であり、もし扱うなら研究として、倫理審査(IRB)の監督下で行うべきだとしています。

何が起きたのか(ポイント整理)

  • アメリカのASRMが、多因子の着床前遺伝学的検査(PGT-P)についての共同報告を公表した
  • 現時点では、予測精度・安全性・臨床的な価値を裏づける根拠が十分ではないとして、臨床サービスとして提供すべきではないと結論づけた
  • 予測が不確かになる背景として、データ不足、遺伝子と環境要因の相互作用の理解不足、ゲノムデータの多様性不足などを挙げた
  • 患者さんに誤解を与えるリスク(できることを大きく見せてしまう)や、倫理面(公平性・自律・優先順位・偏り)を重大な論点として整理した
  • 利用するなら研究の枠組みで、倫理審査(IRB)の監督下で行うべきだと示した

ここからは私(YUu)の感想や意見です

  1. 「遺伝子で安心したい」気持ちに、学会がブレーキをかけた意味

    PGT-Pの話題は、聞き方によっては「少しでも確率を上げたい人の味方」にも見えますし、逆に「選別が進みすぎる怖さ」にも見えます。
    だからこそ、専門学会が“今は臨床で出す段階ではない”と線を引いたことは、いったん深呼吸する材料になると感じました。
    特に、予測の不確かさが大きい段階で強い言葉や分かりやすい売り文句が先に走ってしまうと、当事者の不安をさらに増やすこともあると思います。

  2. 「確率の情報」は便利だけれど、使い方を間違えると苦しくなる

    ここは私の推測も入りますが、PGT-Pのような“確率の点数”は天気予報に少し似ていると思いました。
    確率は判断の助けになる一方で、「点数が高い=必ずそうなる」「点数が低い=安心」と受け取ってしまうと、かえって気持ちが追い詰められることもありそうです。
    だからこそ、点数が何を示していて、何を示していないのかを丁寧に説明することが、とても大切だと感じました。

  3. 日本の読者として考えるときに大事だと思ったこと

    日本でもPGTや遺伝子検査という言葉は広がっていますが、名称が似ていても中身が違うことがあります。
    今回の報告は「PGT-P(多因子疾患のポリジェニックな推定)」に特有の不確かさと倫理課題を整理したものでした。
    日本で同じような話題に触れたときも、「何をどこまで分かる検査なのか」「研究段階なのか」「説明のしかたは誠実か」を落ち着いて確認することが、少し自分を守ることにつながるのではないかと感じました。

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この記事は、公開されているニュース記事をもとに、私(YUu)が個人的な立場から内容を整理・要約したものです。実際の治療や制度の利用については、必ず医療機関や専門家にご相談ください。